2025年10月1日からダイエット外来を開始します
2025年10月1日からダイエット外来を開始します。当院のダイエット外来ではマンジャロとオゼンピックを自費診療で処方します。
新規肥満症治療薬として2024年2月より「ウゴービ」(一般名セマグルチド)が、2025年4月より「ゼップバウンド」(一般名チルゼパチド)が保険適用となりました。
しかしウゴービとゼップバウンドは最適使用推進ガイドラインの対象医薬品となっており、保険適用の使用条件は非常に厳しくなっています。高血圧、脂質異常症または2 型糖尿病のいずれかに対し治療中であることが必須で、さらに以下のいずれかの条件を満たす場合に使用できます(BMIが35 kg/m²以上もしくはBMIが27㎏/m²以上35 ㎏/m²未満の場合、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有している)。また、投与できるのは日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会の教育認定施設に限られ、ウゴービとゼップバウンドを処方する施設において、食事療法などの肥満症治療を6カ月以上実施しても、十分な効果が得られない場合ということも処方の条件に加わっています。一方自宅から教育認定施設が遠方である場合やお仕事などで教育認定施設への6ヵ月通院が難しい場合や早く治療を開始したい患者さんも多くいます。またウゴービとゼップバウンドは68週間限定の薬であり、投与終了後にリバウンドする可能性があります。
以上の問題点から肥満症に対する治療薬の自費診療へのニーズが高まっています。昨今治療薬を自費診療で行っているクリニックは多くありますが、必ずしも糖尿病専門医や内分泌代謝科専門医が処方しているわけではありません。私は糖尿病専門医・指導医、内分泌代謝科専門医・指導医の立場から普段からウゴービと同じ成分であるオゼンピック・リベルサス(一般名セマグルチド)やゼップバウンドと同じ成分であるマンジャロ(一般名チルゼパチド)を非常に多くの2型糖尿病患者さんに日常的に処方しており、薬剤の効果や特性、副作用などについて熟知しており、使い慣れている専門医がこれらの薬剤を処方する意義は大きいと考えています。
くろずみ内科クリニック糖尿病・甲状腺・内分泌 院長 黒住 旭
肥満症に関する内容はホームページの「診療のご案内」に詳細を記載していますので是非一度ご覧になって下さい。また来院前にダイエット外来同意書を読んでいただけますと幸いです(同意書にサイン頂けない場合には薬剤の処方が出来ません)。
当院でのダイエット外来では、一般的に肥満と定義されるBMI25以上の方もしくはBMI23以上で肥満に関連する以下の健康障害#が2つ以上ある方が薬剤投与の対象となります(2型糖尿病の患者様は保険適応でマンジャロとオゼンピックの処方が可能です)。
#高血圧、耐糖能異常、脂質異常症、高尿酸血症・痛風、脂肪肝、心筋梗塞・狭心症、脳梗塞、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患(変形性関節症・脊椎症)、肥満関連腎臓病、月経異常・不妊
BMI 23(開始が可能な基準)とBMI 25(開始が望ましい基準)の目安となる体格は以下の通りです。
身長:BMI 23の体重 / BMI 25の体重
145cm:48.3kg / 52.5kg、150cm:51.7kg / 56.2kg、155cm:55.2kg / 60.0kg、160cm:58.8kg / 64.0kg
165cm:62.6kg / 68.0kg、170cm:66.4kg / 72.2kg、175cm:70.4kg / 76.5kg、180cm:74.5kg / 81.0kg
※美容・痩身目的の薬剤使用は当院では行っておりませんので、体格の基準に該当しない方は開始できません。
※BMIとは、ボディ・マス・インデックスの略で、体格を表す指数です。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算されます。
【ダイエット外来で使用する薬剤に関して】
当院のダイエット外来ではGIP/GLP-1受容体作動薬であるマンジャロ皮下注または、GLP-1受容体作動薬であるオゼンピック皮下注を使用します。
マンジャロは2型糖尿病患者を対象とした国内単独療法試験(SURPASS Jmono)において、投与52週目で血糖コントロール(HbA1c)の改善に加えて、マンジャロ5mgで5.8kg、10mgで8.5kg、15mgで10.7kgの体重減少を認めました。オゼンピックは2型糖尿病患者を対象としたSUSTAIN-7試験において投与40週目で血糖コントロール(HbA1c)の改善に加えて、 0.5mgで4.6kg、1.0mgで6.5kgの体重減少を認めました。
【費用に関して】
薬剤の価格は以下の通りです。薬剤は最大で3か月分の処方となります(ただし副作用の確認のため、薬剤を増量するタイミングでは1か月分の処方となります)。
マンジャロ2.5mg/1本(1週間分) 4,200円(税込)
マンジャロ5.0mg/1本(1週間分) 7,500円(税込)
マンジャロ7.5mg/1本(1週間分)10,500円(税込)
マンジャロ10mg/1本(1週間分) 14,000円(税込)
マンジャロ12.5mg/1本(1週間分)17,000円(税込)
マンジャロ15mg/1本(1週間分) 20,500円(税込)
オゼンピック2mg1本(0.5mg投与で4週間分、1.0mg投与で2週間分) 20,000円(税込)
アルコール綿(8回分)110円(税込) *オゼンピックは針が必要になります(針8回分) 440円(税込)
血液検査(血糖値, HbA1c, AST, ALT, γ-GTP, Cre, eGFR, 尿酸値, TC, HDL-C, TG)
初回:5000円、2回目以降:3,000円・・・採血は半年毎に行います(上記検査項目を含む3か月以内に行った健診データ等をご持参頂ければ血液検査を省略することができます)。*診察料は別途頂きます。
【薬剤の副作用関して】
マンジャロおよびオゼンピックの主な副作用は以下の通りです。
最も多い副作用は吐き気、嘔吐、下痢、便秘、食欲低下などの消化器症状、全身倦怠感などです。薬剤開始時や増量時に起こりやすいです。自己注射による内出血、痛み、赤み、熱感、硬結、また重大な副作用として膵炎、低血糖、腸閉塞があります。まれにアナフィラキシーなどのアレルギー反応などの副作用が報告されています。
*安全性への懸念から以下の患者さんには薬剤の処方は出来ません。
□20歳未満の方、70歳以上の方
□妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方、産後3ヶ月以内の方
□重度の腎機能障害、透析中、重度の肝機能障害、腸閉塞、膵炎の方
□摂食障害(過食症・拒食症)、うつ病の方
□低体重の方(マンジャロはBMI25以上もしくはBMI23以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上あるが対象となります。)
※美容・痩身目的の薬剤使用は当院では行っておりませんので、体格の基準に該当しない方は開始できません。
□激しい運動やアルコール過飲、栄養不良など低血糖をおこす恐れがある方
□悪性腫瘍(がん)の治療中の方
□その他医師の判断で薬剤投与が不適切と判断した場合には処方を出来ない場合があります。
マンジャロの使用方法ついての詳細は以下を参照ください。
マンジャロと一緒にめざすHbA1c目標値
https://jp.lilly.com/diabetes_consumer/assets/pdf/ld_patient/PP-TR-JP-1533.pdf
オゼンピックの使用方法についての詳細は以下を参照ください。
オゼンピック®皮下注 2mgを正しく使うために
https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/products/how-to/injection/ozempic2mg/pdfs/Ozempic-2mg-how-to-use-correctly.pdf
ダイエット外来同意書
【使用薬剤および薬理作用について】
GIP/GLP-1受容体作動薬であるマンジャロ皮下注または、GLP-1受容体作動薬であるオゼンピック皮下注を使用いたします。
これらはもともと、糖尿病治療薬として開発された医薬品です。膵臓に作用して血糖値を下げる、食物の胃から腸への排出を遅らせる、食欲中枢に働きかけ食欲を抑える、基礎代謝を上げる、脂肪を分解させやすくするなどの生理作用を有し、体重を減らす効果があると言われています。海外では肥満症の治療として使用されていますが、日本では糖尿病治療薬としてのみ承認されており、痩身治療として認可を受けたものではありません。個人差があり、ダイエット効果を100%保証するものではありません。
【薬剤の投与が出来ない方】
□20歳未満の方、70歳以上の方
□妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方、産後3ヶ月以内の方
□重度の腎機能障害、透析中、重度の肝機能障害、腸閉塞、膵炎の方
□摂食障害(過食症・拒食症)、うつ病の方
□低体重の方(一般的に肥満と定義されるBMI25以上の方もしくはBMI23以上で肥満に関連する以下の健康障害#が2つ以上ある方が投与対象となります)
#高血圧、耐糖能異常、脂質異常症、高尿酸血症・痛風、脂肪肝、心筋梗塞・狭心症、脳梗塞、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患(変形性関節症・脊椎症)、肥満関連腎臓病、月経異常・不妊
□激しい運動やアルコール過飲、栄養不良など低血糖をおこす恐れがある方
□悪性腫瘍の治療中の方
*その他医師の判断で薬剤投与が不適切と判断した場合には処方を出来ない場合があります。
【副作用について】
・最も多い副作用は吐き気、嘔吐、下痢、便秘、食欲低下などの消化器症状、全身倦怠感などです(薬剤開始時や増量時に起こりやすいです)。
・自己注射による内出血、痛み、赤み、熱感、硬結など。
・重大な副作用として低血糖、膵炎、腸閉塞など。
・まれにアナフィラキシーなどのアレルギー反応などの副作用が報告されています。
【投与方法について】
◆マンジャロ皮下注(GIP/GLP-1 受容体作動薬)
・週1回、ご自身で腹部に注射をします。
・まずは、2.5mgで週1回、4週間注射します。
・その後5mgで週1回注射を継続します(2.5mgで継続することも可能)。4週間以上経過する毎に2.5mgずつ増量可能で最大投与量は15mgとなります。
◆オゼンピック皮下注(GLP-1 受容体作動薬)
・週1回、ご自身で腹部に注射をします。
・まずは、0.25mgで週1回、4週間注射します。
・その後0.5mgで週1回注射を継続します(0.25mgで継続することも可能)。4週間以上経過すると最大投与量である1.0mgまで増量可能です。
※注射を忘れた場合は、次回注射予定日まで2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに 1回分を注射してください。その後はあらかじめ決められた曜日に注射をして下さい。次の注射予定日まで2日(48時間)未満の場合は、忘れた分は注射せずに、次の予定日に1回分を注射してください。
※使用後の針は、医療ゴミのため一般ゴミでは廃棄できません。ペットボトル等に入れて当院へご持参ください。
【治療の中止について】
以下の場合は、医師の判断により治療を一時中断・中止する場合があります。
・強い副作用が生じた場合 ・治療効果を全く認めない場合 ・患者様の注射の遵守が難しいと判断された場合 ・医療的に継続が適切でないと判断された場合
【確認事項】
・いかなる場合におきましても、返品・返金はできかねます
・不適切な使用方法の際に発生するトラブルにつきましては、一切責任を負いかねます
・治療の効果は、体質や基礎疾患、食事や日々の運動量等にも影響を受け、絶対の効果を保証するものではありません
・海外では肥満症の治療として使用されていますが、日本では糖尿病治療薬としてのみ承認されており、痩身治療として認可を受けたものではありません。よって適応外使用のため医薬品副作用救済被害制度の対象外となり、重大な副作用の発生時には自己負担での治療となります。何らかの大きな合併症が起きた場合にも、当院では責任を負いかねます。